育児休業中に保育園を利用したい場合は?育休についても詳しく解説
下の子の育児休業中であっても、上の子どもの保育園はそのまま利用したいと考える方も多いのではないでしょうか。自宅での保育が可能となるため、退園となる考えが一般的です。
しかし、特例で保育園の継続利用ができるケースもあります。そこで本記事では、育休中でも保育園を利用する方法や、保育園の利用ができない場合にできることをご紹介します。育休中で上の子の保育園利用を迷っている方は、ぜひご覧ください。
育休中でも保育園の利用が可能なケースはある
保育園を利用するためには、保育を必要とする理由が明確でなければいけません。就労しているほかに、以下のような理由が当てはまります。
- 疾病や障がいがあり保育に支障がある場合
- 親族の方を日中介護・看護している場合
- 災害の復旧にあたっている場合
- 社会的養護が必要な場合
- 出産の前後の場合
- 求職中
- 就学の場合
つまり、自宅で子どもを保育するのが難しい場合に、保育園が利用できるのです。しかし、仕事を休んで自宅にいる「育休中」であっても、保育園の利用が可能なケースがあります。
下の子の育休中は上の子の保育園利用が可能
下の子の育休中の場合、上の子どもの保育園の継続利用が可能なケースがあります。
育児休業を取得している場合、在園中の上の子どもも自宅での保育が可能であると判断されるため、保育を必要とする理由がなくなってしまいます。
しかし、以下に当てはまる場合、優先的に保育園を利用できると定められています。
- ひとり親家庭
- 生活保護世帯
- 生活中心者の失業
- 子どもに障害がある
また、「子どもの発達上、環境の変化が好ましくない」「保護者の健康状態が良くない」などに該当すると、継続利用が可能な場合が多いようです。
さらに、「育児休業からの復職を支援するため」や「児童福祉の観点」から、手続きをすれば特例として引き続き在園が可能となる自治体が多いため、住んでいる自治体で定められているルールを確認してみましょう。
継続入園ができる期間が設けられている
上の子どもの継続入園ができる期間は、自治体によって定められています。東京都新宿区を見てみると、在園している子どもが保育園を継続して利用できるのは、「出産した下の子の2歳の誕生日が属する月の末日まで」と記載されています。
また、育休の期間の保育時間は、原則として保育短時間で認定されるでしょう。1日8時間までの利用となるため、ご注意ください。
参照:新宿区|《育児休業取得中の保育実施期間について》
育休中に妊娠したら上の子の保育園利用が可能
上の子どもを自宅保育している育休期間に妊娠した場合、上の子は保育園に入園することが可能です。保育を必要とする理由のひとつに「妊娠・出産」があるため、上の子の保育園利用が認められます。
しかし、保育が必要な理由が「出産」で保育園に入園した場合、保育園に通える期間が定められています。
東京都中野区の場合、第2子出産後8週間(産休終了の属する月末)までが保育実施期間です。この翌月以降は通園できず、改めて新規入園の申込みをする必要があります。
参照:中野区|中野区保育所等のごあんない 2021~2022年度
育休中の保育園利用で注意するポイント
育休中に保育園を利用する場合には、注意が必要なポイントがあります。ここでは、2つのポイントをご紹介しますので、ご確認ください。
育休中の保育継続には申請が必要
育休中に保育園を継続利用する場合には、申請が必要です。自治体に必要書類を提出する必要があるため、注意しましょう。
申請については、後に詳しくご紹介しますので、そちらをご確認ください。
登園・降園の時間が変更になるケースがある
保育園を継続利用できたとしても、登園と降園の時間が変更になるおそれがあります。保育標準時間で11時間の利用が可能だった家庭も、育休中は保育短時間での利用となるケースが多いため、保育園を利用できる時間は短くなるでしょう。
また、保育園によっては、お迎えの時間を指定されることもあるようです。仕事をしていない分、お迎え時間が早くなる可能性が高いと考えておいた方がいいでしょう。
育休中に保育園を継続するための申請方法
育休中に上の子の保育園を継続するためには、自治体に手続きをする必要があります。ここでは、どのような申請になるのか説明します。
保育園の継続利用の申請方法は、自治体によって異なりますので、あくまで目安として確認しておきましょう。正確な情報は、住んでいる自治体の保育課に問い合わせをしてください。
育児休業期間証明書等の必要書類を準備する
育休中に保育園を継続利用する場合は、「育児休業期間証明書」の提出が必要です。提出し忘れると退園になるおそれもあるため、忘れずに自治体に提出してください。
ちなみに、育休から職場復帰する場合には、復帰から2週間以内に「復職証明書」の提出も必要となるため、注意しておきましょう。
保育の必要性の認定申請を自治体に行う
先述した通り、育休中は「保育標準時間」から「保育短時間」に変更になる自治体もあります。
そのため、自治体によっては「保育給付認定変更認定申請書(内容変更届)」の提出を求められるでしょう。
育休中に保育園に入園できなかった場合は?
育休中に保育園に入園できない可能性も考えられます。しかし、育休中であっても、保育園を利用したいと思う保護者も多いのではないでしょうか。
ここでは、育休中に保育園に入園できなかった場合に、できることをご紹介します。
幼稚園・認定こども園の空きを調べる
認可保育園や認可外保育園(無認可保育園)に入園できなくても、幼稚園や認定こども園であれば、利用できる可能性もあるでしょう。通える範囲にある、幼稚園や認定こども園の空き情報も調べてみてください。
保育園以外の選択肢も、幅広く検討するのがおすすめです。
託児所やベビーシッターサービスの利用を検討する
託児所やベビーシッターサービスを利用するのも、ひとつの手といえるでしょう。自治体によっては、ベビーシッターサービスの利用で、加点が得られ、認可保育園に入園しやすくなる場合もあります。
そのため、自治体の調整指数の条件を確認してみるのもおすすめです。
ちなみに、待機児童の保護者の復職を支援するための「ベビーシッター利用支援事業」を行っている自治体もあります。利用料の負担を軽減する事業でありますが、産休・育休中の方の利用ができない場合があるため、ご注意ください。
参照:中野区|令和4年度ベビーシッター利用支援事業のご案内
まとめ
下の子の育休に入るにあたり、上の子どもの保育園を退園しなければと考える方も少なくありません。しかし、「せっかく慣れた保育園を退園させたくない」と考える方も多いでしょう。
最近では保護者の事情や児童福祉の観点から、特例として育休中も保育園の継続利用ができる自治体もあるため、まずは役所の保育課に相談するのがおすすめです。
また、育休中に保育園を利用する場合は、新たに手続きが必要です。手続きを怠ると退園になるおそれもあるため、必ず申請を行いましょう。
上のお子さんにとっても、下のお子さんにとっても、良い環境が準備できるように、育休中の過ごし方を検討してみてください。