男性の育休取得を後押し!制度の解説と2022年からの法改正のポイント

男性の育休取得を後押し!制度の解説と2022年からの法改正のポイント

男性の育休について、多くのメディアで報道される機会が増えてきました。
厚生労働省の調査によると、2020年度の男性育休取得率は12.65%。前年に比べると増加しているとのことですが、まだまだ低い結果であることがわかります。
そんな状況の中、男性の育休取得促進等を含む「育児・介護休業法」の改正が2022年4月より施行されています。

この記事では、改正による変更点や新制度の解説など、男性の育休取得に関する情報について解説します。

男性が取得できる育休の種類

育休は、子どもを育てるために休業できる制度で、女性だけでなく男性も取得することができます。育休の期間は原則として子どもが1歳の誕生日を迎える前日までですが、要件を満たせば最大2歳までの延長が可能です。

また、男性の育休取得を促進するための特例として、「パパ・ママ育休プラス」「パパ休暇」という制度があります。

パパ・ママ育休プラス

パパ・ママ育休プラスは、母親だけでなく父親も育休を取得する場合、「子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで」だった休業期間を1歳2ヶ月になるまで延長することができる制度です。

ただし、両親それぞれの育休期間は1年間までという上限は変わりません。
育休取得期間の期日が伸びるだけで、取得可能日数が増えるわけではないことに注意してください。

パパ・ママ育休プラスの取得要件は、以下の通りです。

  • 配偶者の子どもが1歳になるまでに育児休業を取得している
  • 本人の育児休業開始予定日が、子どもの1歳の誕生日以前である
  • 本人の育児休業開始予定日が、配偶者の取得している育児休業の初日以降であること

1歳2ヶ月までの育休期間が終了した後に、待機児童になってしまった場合には、通常の育休と同じように、1歳6ヶ月・2歳までの延長が可能です。

パパ・ママ育休プラスの育児休業給付

育児給付金の支給額は、以下のようになります。

  • 育休開始日から180日間は月額賃金の67%
  • 181日目から支給終了日までは50%

また、母親の育休開始から180日までの間に父親が育休を取得した場合も、父親は月額賃金の67%を受け取れます。

参考:両親で育児休業を取得しましょう|厚生労働省

パパ休暇(産後パパ育休の新設により廃止予定)

パパ休暇とは、出生後8週間以内に男性が育休を取得した場合、特別な事情がなくても2回の育休が取得できる制度です。

パパ休暇の取得要件は、以下の通りです。

  • 出生後8週間以内に育児休業を開始していること
  • 出生後8週間以内に育児休業が終了していること

出産予定日と出産日が異なる場合の対応は、以下のようになります。

  • 出産予定日よりも前に生まれた場合、出産予定日の8週間後まで
  • 出産予定日よりも後に生まれた場合、出生日から8週間後まで

女性の産休期間は、母子ともに心身の負担が大きい時期です。パパ休暇は、同時期に育休を取得して家族をサポートするための制度といえます。

パパ休暇の育児休暇金

月額賃金の67%が支給されます。ただし、子どもが誕生した日からが支給対象となり、出産予定日に育休を開始しても出産日が遅れた場合、育休開始日から出産日までの間の支給はありません。

参考:両親で育児休業を取得しましょう|厚生労働省

育児・介護休業法の改正による制度の変更点

育児・介護休業法の改正による制度の変更点は、以下の2点です。

  • 雇用環境整備・育休の周知・意向確認の義務化(2022年4月~)
  • 産後パパ育休の新設(2022年10月~)

雇用環境整備・育休の周知・意向確認の義務化(2022年4月~)

育児休業を取得しやすい雇用環境づくりのため、事業主には雇用環境の整備および、妊娠・出産の申し出をした労働者に個別の周知・意向確認の措置を義務付けられることになりました。

育休を取得しやすい雇用環境の整備

育児休業や産後パパ育休の申し出が円滑に行われるようにするため、事業主は下記いずれかの措置を講じる必要があります。

  • 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
  • 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
  • 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
  • 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

妊娠・出産の申し出をした労働者に対する周知・意向確認

本人または配偶者が妊娠・出産を申し出た労働者に対して、事業主は下記のような情報提供および意向確認を個別に行う必要があります。

  • 育児休業・産後パパ育休制度の概要
  • 育児休業・産後パパ育休の申し出先
  • 育児休業給付に関すること
  • 育児休業・産後パパ育休について負担すべき社会保険料の取り扱い

産後パパ育休の新設(2022年10月~)

産後パパ育休とは、男性の育児休業取得促進策のひとつで、2022年10月1日からスタートする出生時育児休業のことです。

産後パパ育休の創設により、以下の2点が変更されました。

  1. 産後パパ育休を創設し、産後8週間以内に4週間の休業が取得可能に
  2. 育児休業を分割して取得できる

出生後8週間以内に最大4週間までの休暇を取得

産後パパ育休は、休業の2週間前までに申し出ることで、出生後8週間以内に最大4週間までの育休取得が可能です。
また、「原則、子供が1歳(最長2歳)まで」とする育休制度とは別に取得できます。

原則として、休業の2週間前までに申し出れば取得できることになり、現行制度の1ヶ月前より大幅に短縮されました。
このことによって、出産予定日がずれた場合や産後に決めたいなど、臨機応変に取得することができるようになります。

育児休業を分割して取得できる

現行制度の育休では、分割して取得することはできません。
産後パパ育休では、会社へ初めに申し出れば、分割して2回取得することも可能です。
子どもが1歳になるまでの育休を分割して2回取得することが可能となります。

ゆえに、産後パパ育休を含めると、男性は最大4回女性は最大2回の育休分割の取得が可能です。

1歳以降の育休の延長において、育休開始日は1歳、1歳半の時点に限定されていましたが、産後パパ育休は育休開始日を柔軟に設定できます。
さらに、これまでは1歳以降に再取得不可でしたが、特別な事情がある場合に限って再取得が可能となります。

休業中の就業が可能に

現行の育休では、休業中の就業は不可とされています。産後パパ育休は、労使協定が締結されている場合に限り、以下の条件を満たすことで就業が可能です。

育休期間中の所定労働日・所定労働時間の半分
休業開始・終了予定日を就業日とする場合、当該日に所定労働時間数未満

ただし、就業可能時間や業務内容は、労働者が合意した範囲内でおこなわなければなりません。

原則2回の育休まで出生時育児休業給付金を受けられる

産後パパ育休は2回まで分割することができます。したがって、1歳未満の子どもについて、出生時育児休業給付金も2回まで受給できます。

参考:令和4年10月から育児休業給付制度が変わります|厚生労働省

支給金額

産後パパ育休期間全体の支給金額は次のように求めます。

支給金額 = 休業開始時の賃金日額 × 休業日数× 67%

休業開始時の賃金日額とは、休業開始前6ヶ月間の賃金(賞与を除く)÷180で計算します。休業日数は、最長4週間(28日)のうち、実際に休業した日数です。

なお、産後パパ育休中に就業で収入を得た場合、休業中の賃金額と出生時育児休業給付金の合計が「休業開始時の賃金日額 × 休業日数」の80%を超えるときは、超過分が出生時育児給付金から減額されます。

参考:令和4年10月から育児休業給付制度が変わります|厚生労働省

支給要件

給付金を受給するためには、以下に示す2つの要件を満たす必要があります。

休業開始日前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上あること。11日未満は、就業している時間数が80時間以上の月が12か月以上あること
休業中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は80時間)以内であること

申請期間

申請期間は、子どもの出生日から8週間後の翌日から2ヶ月後の月末までです。例えば、出生日が令和4年10月15日の場合、申請期限は令和5年2月末日までになります。2ヶ月後ではなく、その月末まである点に注意しましょう。

参考:令和4年10月から育児休業給付制度が変わります|厚生労働省

社会保険料の免除

一定の要件を満たすことで、社会保険料が自己負担分および事業主負担分ともに免除されます。

要件は以下の通りです。2022年10月以降は、2と3の要件が追加されています。

  1. その月の末日が育児休業期間中である場合
  2. 同一月内で育児休業を取得し、14日以上の場合
  3. 賞与に係る保険料については、連続してて1ヶ月を超える育児休業を取得した場合

参考:育児・介護休業法の改正について |厚生労働省

パパ休暇は廃止、パパ・ママ育休プラスは継続

法改正により、産後パパ育休が新設されたことで、パパ休暇は廃止となります。
パパ・ママ育休プラスは継続はされるので、共働きの家庭の場合は、産後パパ育休を組み合わせて、父親の育休を最大限に活かしましょう。

育児休業取得状況の公表の義務化(2023年1月~)

周知・意向確認の義務化と同じく、育休が取得しやすい雇用環境の整備を目的とした改正です。
従業員数1,000人超の企業は、育児休業等の取得の状況を年1回公表することが義務付けられます。

公表内容は、男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」で、インターネット等一般の方が閲覧できる方法での公表が求められます。

男性が育休を取得するうえで注意するポイント

男性が育休を取得するには、制度の活用だけでなく、収入面の対策や職場への相談を欠かさないことも大切なポイントです。

収入が下がったときの対策が必要

産後パパ育休中の給付金は、収入の67%です。加えて、社会保険料が免除されると給与の80%近くまでカバーできる計算になります。とはいえ、20%ほど収入が下がるため、その分の対策が必要です。

会社には早めに相談しておく

育休の申請は、産後パパ育休は2週間前から、その他の育休制度では1ヶ月になっています。会社には育休の推進が義務付けられたものの、人員の調整が必要になります。業務の引継ぎをスムーズに済ませるためにも、早めに相談しておきましょう。

まとめ

産後パパ育休は、産後直後の母親にとって心強い制度です。父親が育児に積極的になるチャンスでもあります。制度の活用にあたっては、家族と収入面に関する対策を考え、会社とも早めの相談で休業と復職をスムーズに進めましょう。

この記事の製作者

えんさがそっ♪編集部

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