保活するうえで自営業は不利?保育園入園の可能性を高める方法とは

保活するうえで自営業は不利?保育園入園の可能性を高める方法とは

自営業やフリーランスの保活は、会社員よりも不利なのでは?と心配される方も多いでしょう。しかし、一部を除き会社員と大きく差が生まれることはありません。

本記事では、自営業の保活が不利と言われる理由から、保育園入園の可能性を高める方法をご紹介します。自営業やフリーランスの方は、ぜひご覧ください。

自営業やフリーランスが保活で不利とされる理由

自営業やフリーランスは、保育園に入園するのに不利だといわれることが少なくありません。
まずは、なぜ自営業やフリーランスが保活で不利だと考えられているのか、その理由をご紹介します。

自治体によっては指数が低い

フリーランスや自営業が保活において不利だといわれる理由としてまず挙げられるのが、自治体によっては基本指数が低く設定されている点です。
一般的な会社員よりも持ち点が低くなるため、自営業は会社員に比べ、保育園入園が難しくなるケースがあると考えられています。

東京都・新宿区を例に挙げてみます。

例えば新宿区の場合、月に40時間以上就労する会社員と自営業の基本指数は以下の通りです。

月40時間以上就労の基本指数
フルタイムの会社員:20
自営業(中心者):20
自営業(中心者以外で居宅外):19
自営業(中心者以外で居宅内):18
参照元:新宿区|令和4年度版 認可保育園等申込みの手引き

新宿区では、会社員と自営業に基本指数の差はありません。
一方で自営業の手伝いなど中心者でない場合には、月に40時間就労しているとしても、居宅外で19、居宅内で18と指数が低くなってしまいます。

この場合、夫婦ともに会社員として月40時間以上の就労がある家庭と比較すると、世帯の指数が低くなるために、保育園の入園が難しくなることが予想できます。

ちなみに、夫が会社員で妻がフリーランスで働いている場合は、妻は自営業の中心者であるため、月40時間以上の就労であれば会社員と同じ「20」の指数に該当します。

在宅勤務の場合は自宅保育が可能と判断されるケースがある

自営業やフリーランスの中には、自宅で仕事をしている方も多いですが、自宅保育が可能だと判断されてしまうケースがある点も、保活に不利だとされる理由の1つです。

自宅で働きながらの保育がなぜ難しいのか、保育園がないと仕事にどのような影響が出るのかを証明するためにも、開業届や就労状況申告書の提出が必要になります。

在宅勤務が中心で保育園を利用できるか不安な方は、一度役所の保育課に相談してみましょう。

厚労省から就業形態での差別を禁止する通達も出ている

厚生労働省が就業形態での差別を禁止する通達を出したことで、自営業やフリーランスが保活で不利となるケースが減っています。

先述した指数でも分かる通り、自営業でも中心者であれば会社員と同じ指数を得られます。
新宿区以外の自治体でも、同じような取り組みが行なわれているため、自営業やフリーランスでも入園しやすくなったといえるでしょう。

自営業が保活を有利に進める8つの方法

自営業やフリーランスが、より有利に保活を進めるためにできる8つの方法をご紹介します。
認可保育園に入園することを強く希望している方は、ぜひチェックしてみてください。

1. 加点を得るために保育実績を作る

保活において重要な世帯の指数への加点を得るために、保育実績を作ると良いでしょう。

自治体によって、認可保育園に入園する前にベビーシッターサービスを利用する、もしくは認可外保育園に通うなどの実績を作ることで、加点を得られる場合があります。

少しでも有利に保活を進めるために、加点が得られる方法がないか、自治体の調整指数の要件を確認してみましょう。

2. 就労形態を見直す

就労時間の長さにより、指数が異なります。長く働くほど指数が高くなり、保活を有利に進めることができます。

新宿区の指数で見てみると、月20日以上・週30時間未満の就労では指数が「16」です。しかし、これを月20日・週40時間以上の就労にすることで「20」の指数が得られます。

自営業から正社員になる必要はありません。ただ、働く時間を増やすだけでも指数は高くなるため、もし可能であれば検討しても良いでしょう。

3. 自分の点数で入れる保育園を探す

自治体が公表している、各保育園の過去の最低指数を確認してみましょう。現状の世帯指数でも入れそうな保育園を探す基準とすることができます。

もちろん、毎年同じような最低指数とは限りませんが、参考程度に見るのをおすすめします。

4. 倍率が低いことも多い新設園を希望する

新設園は最新設備のきれいな保育園に通えることもあり、人気があると思う人が少なくありません。しかし、見学ができなかったり、行事対応などの実績がない点が懸念され、倍率が低くなることも予想されます。

保護者の要望が通りやすいという新設園ならではのメリットもあるため、希望園の選択肢として検討してみましょう。

5. 0歳児から保育園入園を希望する

0歳児入園よりも、1歳児入園の方が激戦だといわれています。そもそも、1歳児入園の定員は少なく、指数が低いと弾かれてしまうおそれがあるのです。

自営業で指数が低い場合は、0歳児入園を狙う方がおすすめといえるでしょう。

6. 通園できる範囲内で選択肢を増やす

自治体によっては、希望園を30園まで書けるように設定していることがあるほど、認可保育園に入園するのは簡単なことではありません。

そのため、自宅近くの保育園のみを希望するのではなく、通園できる範囲を広くし、選択肢を増やすことをおすすめします。

7. 認可外保育園も検討する

待機児童が多い自治体の場合、認可保育園だけでなく、認可外保育園も検討するといいでしょう。
認可外保育園は、国が定めた基準を満たしていないことから、不安に感じる保護者も多いかもしれません。

しかし、一定の基準はクリアしていること、そして保育園によっては魅力に感じるような独自の保育をしてくれるケースもあるため、見学も活用しながら検討すると良いでしょう。

8. 入園できないと日中の仕事が円滑に進められない現状を伝える

自宅で保育ができるのではないかと判断されてしまいそうな場合、役所の保育課に行き、保育園に預けないと仕事が円滑に進められない現状を伝えておきましょう。

あわせて、指数が低くても入れそうな保育園はあるのかなど、相談してみるのも良いでしょう。

自営業が保活で必要となる書類

自営業が保育園入園申込みをする際に、必要となる書類もご紹介します。会社員のケースと必要な書類が異なりますので、ご注意ください。

就労証明書または就労状況申告書

就労証明書、もしくは就労状況申告書の提出が必要です。会社員の場合、会社で記入してもらう勤務証明書を提出すれば済みますが、自営業・フリーランスは、就労状況申告書を自分で作成する必要があります。

就労状況申告書には、主に以下の内容について記入します。

  • 業種および仕事内容
  • 事業形態
  • 就労日数・就労時間
  • 定休日
  • 就労時間中に行う家事・育児等の状況
  • 所得税等に関する申告

具体的な項目や書式は自治体により異なるため、住んでいる自治体のフォーマットを確認するようにしましょう。

開業届のコピー

開業届とは、事業を始める際に税務署へ提出する書類です。
自治体によっては、就労状況申告書のほかに、開業届のコピーの提出を求められる場合があります。

開業届のコピーを提出できないと、自営業ではなく内職とみなされ指数が低くなることも考えられます。

収入証明書や就労実績

自営業の中心者と判断してもらうために、収入証明書や就労実績の提出が必要な場合があります。何をもって収入証明とするのかは自治体によって異なるため、保育課に相談してみましょう。

確定申告書類、収入が分かる通帳のコピー、納品書や発注書で受理してもらえることがあります。

まとめ

自営業やフリーランスだからといって、会社員と比べて保活に大きく不利ということはありません。これは、厚生労働省の就労形態による差別を禁止する通達が、大きな要因といえるでしょう。

希望するタイミングでの保育園入園が叶うように、本記事で紹介した自営業が保活を有利に進める方法を実践してみてください。

この記事の製作者

えんさがそっ♪編集部

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