専業主婦だと保育園の利用が難しいと言われる理由とは?落ちないための対策を紹介

専業主婦だと保育園の利用が難しいと言われる理由とは?落ちないための対策を紹介

保育園に預けられる年齢の子どもがいるのに、専業主婦であることで保育園に入れることができないと悩んでいる方は少なくありません。
2人目や3人目を妊娠していたり、親の介護があったりする専業主婦にとって、最も悩ましいことではないでしょうか。

本記事では、なぜ専業主婦だと入園が難しいと言われるのか、その理由や対策について解説します。

専業主婦だと保育園に入れない理由

そもそも、なぜ専業主婦は子どもを保育園に入れることができないのでしょうか。主な理由として、以下があります。

  • 認可保育園は両親が働いていることが前提
  • 専業主婦の場合、認可保育園の入園に必要な基準指数が低くなってしまう
  • 求職中に保育園が決まらないことが多い

それぞれの理由について、詳しく解説します。

認可保育園は両親が就労していることが前提条件

保育園には、適切な保育園運営のための必要な基準を満たし、都道府県知事より認可を受けた保育園が「認可保育園」と、認可保育園よりもゆるやかな基準が設けられ、保護者の多様化するニーズに応える「認可外保育園(無認可保育園)」があります。

多くの保護者が希望する認可保育園に入れるためには、両親が就業していることが前提条件となります。全国の認可保育園により構成される全国保育協議会をみると、保育園の役割について下記のように定義されています。

「保育園は、親(保護者)からの申し込みにより、親が働いている、病気の状態にある等の理由により家庭において十分に子どもを保育できない場合に、家庭に代わって子ども(0~5歳の乳児および幼児)を保育(養護と教育が一体となった保育)するため、児童福祉法に位置付けられた「児童福祉施設」です。

すなわち、専業主婦の場合はこの条件を満たしていないことから、保育園に預けることができないのです。

引用元:「保育園とはどんなところ?-全国保育協議会」

基準指数が低くなってしまう

認可保育園に入るためには、選考に必要な点数があり、その中で多くを占める「基準指数」があります。基準指数とは、保護者の基本情報を数値化したものです。点数を決める要素はいくつかあるものの、「就労」していると基準指数が高くなります。

専業主婦の場合、就労が当てはまらないことで、入園の選考基準となる点数が低くなってしまいます。
そもそもの認可保育園の定義に加えて、必要な基準指数が獲得しづらいことから、専業主婦だと認可保育園に入れないのです。

求職中の保活も厳しいのが実態

「求職」を理由に認可保育園に入園申し込みをすることも可能ですが、各自治体によって判定基準は異なるものの、求職中の優先順位はやや低いとされています。求職中に申請をしても希望した保育園に入園が決まらず、結果的に仕事を始められないといった声は少なくありません。

「預け先がないと働けないという状況であるにもかかわらず、」「働いていなければ優先順位が低く保育園に預けられない」という保活事情があり、専業主婦では認可保育園を利用しづらいという声が多いのです。

認可保育園に入園するための点数とは

認可保育園の入園選考の優先順位は、家庭ごとに保育の必要性を点数化した「基準指数」と「調整指数」の合計点数によって決められます。ここでは、基準指数、調整指数が何を指しているのか、なぜ専業主婦が不利になるのかを解説していきます。

基準指数

基準指数とは、保護者の基本情報を数値化したものです。以下の状況によって、点数が出されます。

  • 就労
  • 出産
  • 介護
  • 疾病
  • 障害
  • 求職
  • 就学

父親と母親の点数を合計したものが、その世帯の基準指数です。就労と求職の違いや、週何回・何時間働いているのかの違いで、点数に差が出てきます。特に数ある指数の中でも「就労」は点数が高く、就労していない専業主婦が就労している家庭よりも高い点数を獲得することは難しいです。

調整指数

調整指数とは、家庭の状況に合わせて加点・減点の調整をする点数のことを指します。調整指数の内容は自治体によって異なりますが、いくつかの例をご紹介します。

  • 3ヶ月以上就労を継続している
  • 希望する保育園に兄弟、姉妹が通園している
  • 祖父母と同居している
  • 認可外保育園やベビーシッターサービスの利用経験がある

このような要件で、加点・減点される仕組みです。就労期間や兄弟・姉妹の通園など、以前から就労している家庭に加点されやすい項目も多く、専業主婦の場合は調整指数でも点数が取れないことから保活では不利になってしまいます。

専業主婦や求職中でも認可保育園に入園するための対策

それでは、専業主婦が認可保育園に入園するためにはどうすれば良いのでしょうか。主な対策は下記となります。

  • 求職活動申立書を提出する
  • 在宅ワークなどで個人事業主になる
  • 通える範囲内で入園先の選択肢を広げる
  • 認可外保育園(無認可保育園)を検討する
  • ベビーシッターや一時保育を利用する
  • 入園時期を見直す

対策を考える上で重要なポイントとしては、自分の世帯で獲得できる基準指数と調整指数がどれくらいになるのか、住んでいる自治体なら何点必要になるのかを把握することです。それぞれの詳細について確認していきましょう。

求職活動申立書を提出する

専業主婦で求職中の場合は、必ず求職活動申立書を記載して自治体に提出しましょう。
就労中の場合なら、就労証明書で事実証明できますが、勤務先や仕事が決まっていない場合には書類を作成できません。
そのため、求職活動申立書によって求職中であることを証明する必要があります。

自治体より書類のフォーマットをダウンロードすることができます。広島市の求職活動申立書を例にみると、「就職活動状況」「求職日数」などを記載します。自治体ごとにフォーマットが異なるため、確認してみてください。
参照:広島市「保育園等の入園について」

在宅ワークなどで個人事業主になる

就労条件を満たすためにパートや正社員として働くという手もありますが、開業届けを税務署に提出し、個人事業主として働くという方法もあります。
開業届は無料で出すことができ、審査も特にありません。利益が出ていなくても開業届は提出できるため、在宅でできる仕事でも就労としてカウントされます。

ただし、保育園の入園審査では、勤務時間や実績などを明確にする必要があるため、業務内容、それにかかる時間などを明確に整理しておくことが重要です。

通える範囲内で入園先の選択肢を広げる

求職中の保護者が認可保育園を希望する場合、競争率の高い保育園を避けるのが無難でしょう。就労が前提であり、兄弟姉妹が同じ保育園に在籍するといった高い点数の保護者が多いためです。
そこで狙い目になるのが、新設の園や人気のない保育園です。保育園が新設されると、単純に母数が増えることから競争率がやや下がるため、入園できる可能性もあります。

人気のない保育園は、そもそもの競争率が高くありません。ただし、なぜ人気がないのかという理由を調べる必要はあります。そういう園を、あえて希望した方が入りやすいのです。
そのうえで、家庭で獲得できる点数を理解し、通える範囲で入園しやすい保育園を希望することをおすすめします。

認可外保育園(無認可保育園)を検討する

求職中の専業主婦で認可保育園を希望するなら、一時的に認可外保育園への通園を検討することも対策の1つです。
認可保育園の入園審査においては、認可外保育園への通園が加点対象になる場合があります。加えて、ベビーシッターの利用も同様です。

特に求職中では希望の認可保育園に入れないケースも多いため、認可外保育園に通園する間に就労を進め、次の募集時期で再度申請してみると良いかもしれません。

ベビーシッターや一時保育を利用する

ベビーシッターや認可保育園・認可外保育園の一時預かりを使いましょう。保育園にこだわらず、子どもの預け先として確保しておくという意味でも重要です。

一時預かりは、単発の利用はもちろん、週2〜3日の定期利用が可能です。求職中で、パートも視野に入れている方は、単発での利用や定期利用も検討してみてください。

入園時期を見直す

専業主婦で求職中の場合、入園時期をずらすのも対策としては有効です。保育園の乳児クラスは、保育士の配置基準などの理由から少人数となっているため、競争率が高くなります。

一方で、3歳以降の幼児クラスになれば、乳児クラスに比べて定員が増えるため、希望する保育園に入園しやすくなる可能性があります。特に年度頭の4月に入園を希望するケースが非常に多いため、4月を避けた保活を考えることも検討してみると良いでしょう。

まとめ

本記事では、専業主婦が認可保育園に入れない理由とその対策について解説しました。認可保育園に入るには、両親が就労していることが前提条件にあるため、求職活動を進める必要があります。
その場合、自身の家庭でどれくらいの点数が獲得できるのかを把握したうえで、「入りやすい保育園を検討する、選択肢を広げる」「一時的に認可外保育園を検討する」などの対策を取ることが考えられます。

「働かなければ保育園に預けられない」という状況であるにもかかわらず、「預け先がないと働けない」という状況において、本記事が少しでもお役に立つと幸いです。

この記事の製作者

えんさがそっ♪編集部

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