引っ越しによる保育園の転園は不利?手続き方法を解説
引っ越しによる保育園の転園をするのは、引っ越し先の自治体に住み続けている家庭に比べると不利だと言われています。その理由を解説するとともに、転園に必要な手続き方法をご紹介します。
引っ越しの予定がある方は、ぜひ確認してみましょう。
引っ越しによる保育園の転園は可能
引っ越しで住む場所が変わる場合、現在通っている保育園から別の保育園へ転園することが可能です。
引っ越し先の自治体が現在と異なる場合は、現在通っている保育園に通い続けることができない可能性が高いため、転園する保育園を探す必要があるでしょう。
反対に、同じ自治体内での引っ越しの場合、通える範囲であれば転園せずに通い続けることも可能です。
保育園の枠に空きさえあればいつでも転園ができる
保育園の定員に空きがあれば、転園は1年を通していつでも可能です。保育園の空き情報は自治体が公開していますので、引っ越しの目途がたったら、確認してみましょう。
引っ越し先の自宅から通える範囲で、保育園の空きがあるのかチェックしてみてください。
引っ越し先での保活が不利と言われる理由
転園はいつでも可能と説明してきましたが、引っ越し先の保活が不利なことがあります。ここでは、引っ越し先の保活が不利な理由を解説します。
住民票を移していないと申込みができない可能性がある
保育園に入園するのは、基本的に自治体の住民が優先です。そのため、引っ越し先の保育園に入園する場合、まずは住民票を移すことが重要です。
しかし、引っ越しをしてから保活をするとなると、遅いと感じてしまう方も多いでしょう。実際、住民票を移さなくても保活はできますが、減点されるケースが多いため、自治体の住民よりも不利となってしまうと考えられます。
引っ越し先が救済措置を行なっているか確認する
自治体により救済措置が用意されている場合があります。一定の期間内に確実に転入するという証明ができれば、救済措置をとり、その自治体の住民と同じ条件で選考してもらうことが可能です。
転入する証明としては、日にちが記載された賃貸契約書の写しや、家の売買契約書などが当てはまるでしょう。しかし、自治体によって証明書類は異なるため、役所に確認するのが確実です。
引っ越し先の自治体が救済措置を行っているのか、確認しておきましょう。
途中入園は保育園の空き状況次第
4月入園以外の途中入園を希望する場合、入園できるのかは保育園の空き状況次第です。引っ越し先の自宅から通える範囲の保育園の空きがあればいいのですが、遠い保育園しか空いていないというケースも考えられます。
希望する保育園に必ずしも申込みができないことを、理解しておきましょう。
居住している期間が長い世帯が優先される地域もある
その自治体に居住している期間が長い世帯が、保育園の入園を優先されるケースがあります。
例えば、東京都杉並区の場合、同一指数の場合の優先順位の7番目に「杉並区に住民登録し、引き続き居住している期間(日数)が長い世帯」が対象となっています。
つまり、さまざまな条件が同じ家庭があった場合、引っ越したばかりの家庭は不利となる可能性があるのです。
参照:杉並区|令和4年度保育施設利用のご案内
引っ越しによる保育園の転園手続き
引っ越しによって保育園を転園する際の手続きについても解説します。
どのような手続きをする必要があるのか、確認してみてください。
転園希望の保育園がある自治体に申込みをする
転園希望の保育園がある自治体に、入園申込みをしましょう。しかし、4月入園以外の途中入園の場合、窓口が自治体ではないおそれもあるため、確認してみてください。
入園申込み書に、定員に空きのある保育園を記入したうえで、必要書類とともに提出しましょう。
ちなみに、自治体によっては、定員の空きのない保育園でも申込みをしておくことで、空きが出たタイミングで入園できる可能性もあります。
退園届・転出後の継続希望届を提出する
退園する保育園がある自治体に、転園届や、退園・転出(転居)届の提出をします。書類の名前については、自治体によって異なるため、確認しておきましょう。
また、通っている保育園に退園する旨伝え、必要であれば退園届を提出します。
引っ越しをしても転園せずに済むケースもある
異なる自治体に引っ越しする場合、転園する必要があると思うかもしれませんが、実は転園せずに済むケースもあります。転園せずに済むのは、どのようなパターンなのか、確認してみましょう。
隣接する地区なら通える場合がある
隣接する区からであれば、転園せずに通い続けられる保育園があります。引っ越し先が近い場合は、現在通っている保育園が隣接区からの子どもの受け入れがあるのか、確認してみるといいでしょう。
5歳児のみ通い続けられる場合もある
年齢によって、通い続けられるケースもあります。3歳以上であれば可能な保育園や、年長の5歳児のみ可能な保育園があるため、確認してみましょう。
引っ越し先の認可保育園に入園できない場合は?
引っ越し先の認可保育園に空きがなく、希望のタイミングで入園できない可能性も考えられます。しかし、仕事をしている以上、すぐにでも保育園を決めたいと思うはずです。
ここでは、認可保育園に入園できない場合にできることをご紹介しますので、確認してみましょう。
認可外保育園(無認可保育園)を検討する
認可保育園に入園できない場合は、通える範囲内にある認可外保育園(無認可保育園)の空き情報を調べてみましょう。
認可外保育園は、国が定めた基準を満たしていない保育園のため、避けてしまいがちです。しかし、一定の基準はクリアしていること、保育園によっては手厚い保育や、魅力に感じる独自の保育をしているケースもあります。
見学をして不安が解消されれば、認可外保育園を利用するのもいいでしょう。
認可外保育園から認可保育園に転園する手もある
認可外保育園の利用で、世帯が持つ指数に加点される自治体があります。
例えば、東京都杉並区の場合は、以下の調整指数の要件があります。
「認定事由を理由として、認可保育所以外の保育施設に、1日4時間以上かつ1か月12日以上、有償かつ月ぎめで申込み児童を預けている状態で、利用調整会議開催月の初日現在で6か月以上の実績が確認できる場合」
参照:杉並区|令和4年度保育施設利用のご案内
つまり、認可外保育園の利用が6ヶ月以上あれば、2点の加点がもらえるのです。
一度、認可外保育園を利用して加点を得てから、認可保育園に申込みをするのもひとつの手といえるでしょう。
認可外保育園の保育料の補助金制度が用意された自治体もある
認可外保育園は認可保育園に比べて、保育料が高いケースが多いのですが、自治体によっては補助金制度を用意している場合もあります。
東京都中野区の場合、認可保育所等に入所できないために認可外保育施設を利用している方を対象に、補助金の制度が用意されています。
これは、利用施設の月ぎめの基本保育料又は補助限度額62,000円のどちらか低い方の額と、認可保育所保育料との差額を補助する制度です。
中野区の場合、認可外保育園も認可保育園の保育料と大きな差がなく、利用できます。引っ越し先の自治体にも、補助金制度がないか、確認してみるといいでしょう。
参照:中野区|令和3年度認証保育所などの保護者補助金について
まとめ
引っ越しで転園する必要がある場合は、まず引っ越し先の空きのある保育園を探すところから始めましょう。あわせて、現在の保育園に通い続けられる方法がないか、確認してみることも大切です。
「すぐに保育園が見つからないと仕事を続けられない」といった状況になるおそれもあるため、認可保育園だけでなく、認可外保育園(無認可保育園)の情報も集めておくのがおすすめです。
引っ越しで忙しい中の保活となるため、早めに動き出しておきましょう。