幼稚園の種類や入園までのスケジュールから必要な費用などを解説

幼稚園の種類や入園までのスケジュールから必要な費用などを解説

幼稚園への入園を考えるとき、いつから入園準備を始めたらよいのか、必要なものなど気になる方が多いでしょう。
この記事では、幼稚園の種類や保育園との違い、入園準備に際して指定用品以外に用意するもの、必要な費用について解説します。

幼稚園の種類

幼稚園は、学校教育法に基づいて運営されている教育施設です。
幼稚園には、公立と私立があります。さらに、認定こども園の幼稚園枠を利用することも可能です。

公立幼稚園

公立幼稚園は、自治体が運営しています。2018年現在、全国に3,737園あり、幼稚園全体の35.7%(※1)です。
教育基準は、文部科学省の「幼稚園教育要領」をもとに、各自治体の教育委員会が指導を行い、教育が実施されています。

国立幼稚園

国立幼稚園は、国立大学教育学部に附属しています。
2018年現在、全国に49園あり、幼稚園全体の0.5%(※1)しかありません。自治体の教育委員会による指導を受けないことが特徴で、独自の教育方針があります。

私立幼稚園

私立幼稚園は、学校法人や社会福祉法人、宗教法人といった民間の事業者によって運営されています。
2018年現在、全国に6,688園、幼稚園全体の63.9%を占め、幼稚園に通っている子どもの84.1%(※1)が、私立幼稚園に在園している状況です。

認定こども園(幼稚園枠)

認定こども園は、幼稚園と保育園の機能と特徴をあわせ持ち、教育と保育を一体的に行う施設です。認定こども園には、1つの園に保育園枠と4時間程度の短時間利用の幼稚園枠があります。2006年に創設されて以来、2018年には4,474園(※1)を数え、今後も増加が期待されます。

参考:※1幼児教育施設の現状(令和元年)|文部科学省

幼稚園と保育園の違い

幼稚園と保育園の大きな違いとして、対象になる子どもの違いと教育・保育時間について解説します。
なお、保育園は認可保育園の内容を扱っています。

幼稚園 保育園
管轄 文部科学省厚生労働省
種別 学校教育法に基づく教育施設児童福祉法に基づく福祉施設
対象 3歳から小学校就学前の幼児0歳から小学校就学前の乳幼児
保育の必要性2・3号認定
教育・保育時間 4時間8時間〜11時間
保育料 料金一律
公立:自治体が設定
私立:設置者が設定
世帯所得により異なる
自治体が世帯所得によって設定

対象になる子どもの違い

幼稚園の入園には、保護者の就労など要件に定めがありません。
保育園の場合は、就労や病気といった事由により、2号(満3歳以上)もしくは3号(満3歳未満)の保育認定が必要です。

教育・保育時間の違い

幼稚園の教育時間は4時間です。
保育園では、自治体が認定する保育時間に、保育標準時間(最大11時間)と保育短時間(最大8時間)の2つがあり、就労などにより保育が必要となる時間が決められています。

幼稚園入園準備は1年前から

幼稚園の入園までに、さまざまな準備が必要です。
複数の園を比較検討するには、意外に時間がかかります。余裕をもってしっかり準備することが大切です。

4月〜:各幼稚園の情報収集・プレ教室への参加・見学

候補となる幼稚園の教育方針や特色について、情報収集します。
園のホームページ、在園児の保護者の話、幼稚園の口コミをチェックしましょう。

また、本格的な入園に先立って園生活を体験できるプレ教室が開かれていれば、参加してみるのもよいでしょう。
募集時期は園によって異なるため、園に確認しておくと安心です。

9月~10月:願書の入手・入園説明会

9月初旬に入園願書が配布されると、入園説明会や園内見学が実施されます。
願書の配布時期は、10月の園もあるため注意が必要です。満足できる園を見つけるためにも、説明会や見学会の機会を見逃さないようにしましょう。

10月〜:願書の提出・入園面接・合否連絡・入園手続

願書を提出、面接を経て、入園が決定します。
気をつけたいのは、選考を先着順と抽選のどちらで決定するのか、そもそも願書を定員分しか配布しないなど園により異なるという点です。必ず、園に確認しておく必要があります。

11月〜3月:入園準備の説明会・制服や教材の受け渡し

入園準備のための説明会が開かれ、園で使う制服や教材の受け渡しが行われます。
入園後に必要となる用品についても発表されるので、説明会前に揃えないようにしておきましょう。

幼稚園の入園準備用品リスト

ここでは、一般的な用品をご紹介しますが、指定用品以外は、入園準備の説明会で確認してから購入しても構いません。

指定用品

制服は、オーダー品や指定販売店で購入するものがあるので、確認しておきましょう。

  • 制服、制帽
  • 園章、名札
  • 体操服・カラー帽子
  • スモッグ
  • 通園かばん
  • 上履き
  • お道具箱

給食・お弁当用品

お弁当グッズは、安全性を重視して、使いやすいものを選びましょう。

  • お弁当グッズ(弁当箱・箸・スプーン・フォーク)
  • ランチクロス(ランチョンマット)
  • エプロン・三角巾
  • 水筒

生活用品

生活用品は、子どもが使いやすいサイズを考慮します。座布団や防災ずきんは、サイズを指定されていることがあるので、確認が必要です。園によっては、座布団の代わりに防災ずきんを使用するケースがあります。

  • ハンカチ・ティッシュ
  • 歯ブラシ・コップ
  • ハンドタオル
  • 座布団・座布団カバー
  • 防災ずきん

身につけるもの・袋物

着脱しやすい観点から、Tシャツや下着は半袖、運動靴はマジックテープでとめるタイプが使われています。

  • Tシャツ、ズボン・スカート、下着、靴下など着替え用
  • 雨具(傘、レインコート、長靴)
  • 運動靴
  • プール用品
  • 手提げバッグ
  • お弁当袋
  • 上履き袋
  • コップ袋
  • 着替え袋

入園準備用品をそろえる際の注意点

入園前に、全て揃える必要はありません。あらかじめ何をどこで購入するかを考えて、指示があれば購入すると効率的です。

持ち物には、必ず名前をつけておきます。自分の名前がまだ読めない場合は、子どもが分かるマーク(ワッペンや刺繍)を名前と一緒につけると便利です。

公立・私立幼稚園に必要な費用

公立幼稚園と私立幼稚園では、年間に必要な費用はいくらになるのか解説します。文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査の結果について(※1)」に基づいて算出しました。入園準備の目安として、参考にしてみてください。

ここでいう学習費とは、保護者が支出した1年間の子ども1人あたりの学習費総額(学校教育と学校外活動の支出した経費の総額)のことです。学校教育費とは、学校教育のために各家庭が支出した全経費を指しています。

公立幼稚園は目安として年間75,000円ほど

公立幼稚園では、年間75,000円の費用が必要です。
1年間の学習費総額223,647円のうち、学校教育費は120,738円でした。この学校教育費から、現在無償化となっている保育料66,206円を除き、給食費19,014円を合わせると73,546円になります。

私立幼稚園は年間150,000円ほど

私立幼稚園では、年間150,000円となり、公立幼稚園の2倍ほどの費用が必要になります。
1年間の学習費総額527,916円のうち、学校教育費は331,378円でした。

保育料は211,076円で月平均約17,590円となり、月額25,700円を上限に保育料が無償になるため、保育料のほとんどがカバーできるといえます。そのため、学校教育費から授業料全額を差し引いて、給食費30,880円を合わせると、151,182円になります。

ただし、幼稚園によって金額が異なるため、上限を超える授業料は自己負担になります。

参考:(※1)平成30年度子供の学習費調査の結果について|文部科学省

まとめ

幼稚園には公立と私立があり、さらに認定こども園の幼稚園枠を利用することも可能です。
入園準備は、遅くとも1年前から情報収集を始め、余裕をもって進めていきましょう。

この記事の製作者

えんさがそっ♪編集部

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