ベビーシッターとは?サービスの内容やメリット・デメリットについて解説
一時的に子どもを預ける方法として、ベビーシッターを利用する人が増えています。近くに頼める人がいなくて悩んでいる方は、預け先の選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。この記事では、ベビーシッターとはどのようなものか、種類やサービス内容から利用するメリット・デメリットまでを解説します。
ベビーシッターとは
子どもの預け先を考えるとき、保育園や幼稚園などの施設に預けることを思い浮かべる方が多いでしょう。ここでは、ベビーシッターとはどのようなサービスなのか解説します。
ベビーシッターは認可外保育施設に分類される
ベビーシッターは、認可外保育施設(無認可保育施設)のひとつに分類され、認可外保育園(無認可保育園)のほか、ファミリー・サポートやベビーホテル、一時預かりなども含まれています。
ベビーシッターの利用料は幼保無償化の対象になり、月額37,000円を上限に無償化されます。ベビーシッターだけでなく、他の認可外保育施設の利用と組み合わせても37,000円までなら無償化されるため、利用料金に負担を感じていた方にとっても嬉しいポイントといえるでしょう。
ベビーシッター利用支援事業がおこなわれている
東京都では、2018年度からベビーシッター利用支援事業という取り組みをおこなっています。子どもが待機児童である場合や育休取得した保護者を対象に、保育園の入園が決まるまでの期間において、東京都認定のベビーシッター業者を利用すると、利用料金の一部が助成されるという内容です。
参考:ベビーシッター利用支援事業|東京都福祉保健局
保護者に代わって乳幼児の世話をする人
ベビーシッターとは、保護者が不在のときに、保護者に代わって、乳幼児の世話をする人のことです。ベビーシッターは国家資格ではありませんが、保育士・幼稚園教諭など子どもに関する資格をもつ人や、子育て経験がある人、民間団体による認定資格をもつ人がいます。
ベビーシッターサービスの種類
ベビーシッターサービスには、大きく分けて派遣型とマッチング型があります。派遣業者やマッチングサイトを介さず、個人で活動しているベビーシッターも存在しますが、ここでは、派遣型とマッチング型を取り上げて解説します。それぞれ特徴があるので、どのタイプが合っているのか確認しましょう。
派遣型ベビーシッター
利用者が業者に申し込むと、業者が利用者の希望に沿うベビーシッターをコーディネートして派遣する形式のサービスです。利用者と業者が契約を結ぶため、事故やトラブルが発生した場合、業者が責任を持って対応してくれます。利用者からみると安心できるポイントといえるでしょう。
業者がベビーシッターを雇用していることから、面接や研修がおこなわれて、ある程度の信頼性が保障されています。その一方で、教育や人材管理・運営などにコストがかかり、どうしても利用料が高額になってしまいます。
マッチング型ベビーシッター
利用者が、利用日時を指定したうえで、自分でベビーシッターを選んで依頼するタイプのサービスです。マッチングサイト上で、ベビーシッターと直接契約を結びます。事故やトラブルが発生した場合には、当事者間で解決しなければいけません。
条件に合ったベビーシッターを探せるため、早朝・夜間の緊急時も見つかりやすいといえます。ベビーシッターは業者が運営するサイトに登録し、利用者自身がベビーシッターを選ぶため、コストは派遣型よりも低く抑えることができ、利用料も比較的安価であることが特徴です。
ベビーシッターのサービス内容
ここでは、対象となる子どもの年齢、業務の範囲、基本料金について解説します。さらに利用状況として、どのような時にどの程度利用したのかといった利用理由と頻度もあわせてご紹介します。
0歳から小学生まで利用できる
ベビーシッターというと、赤ちゃんの世話をするイメージが強いかもしれません。ベビーシッターは、産後ケアにも対応するため0歳(おおむね生後2ヶ月)から利用することができます。上限は、小学6年生の12歳程度としているところが多いようです。
業務内容は多岐にわたる
ベビーシッターの義務は、子どもの世話全般です。具体的には、以下のようなサービスがあります。
- 保育園や習い事への送迎
- 食事の介助
- 入浴
- 排せつ・着替えの介助
- 寝かしつけ
- 病気の子どもの看病
業務の範囲は、派遣業者やベビーシッター個人との契約により異なります。依頼する際に、確認しておくことが大切です。
1時間あたり1,700円前後に設定されている
全国保育サービス協会の会員会社の場合(※1)、最も多い基本料金は、1時間あたり1,700円前後です。基本料金とは別に、ベビーシッターの交通費は実費となります。
基本料金は、派遣業者やベビーシッター個人によって、料金設定が異なります。また、早朝・夜間の利用やきょうだいでの利用など、利用の仕方によっても料金が異なるため、詳細は依頼する際に確認が必要です。
保護者の勤務時・残業時に利用する人が多い
ベビーシッターを利用するのは、保護者が一時的に子どもの保育が困難になったときです。利用する理由に制限はありません。
主な利用理由は、以下の通りです。
- 通常勤務、残業、夜間・早朝勤務、休日勤務
- 保護者の自己実現や社会参加のため
- 冠婚葬祭や学校行事
- 子どもが病気
- 保護者が病気
全国保育サービス協会の利用ガイド(※1)によると、通常の勤務時や残業時に利用する人が多いです。
1週間に2~3回・2~3時間利用することが多い
利用頻度(※1)は、1週間に2〜3回が最も多く、1ヶ月に2〜3回と続きますが、ほとんど毎日という保護者も1割強存在します。また、1回あたりは、2〜3時間の利用が多いです。継続的に利用する保護者が多いといえます。
参考:(※1)ベビーシッター利用ガイド|公益社団法人全国保育サービス協会
ベビーシッターを利用するメリット
ベビーシッターを利用するメリットは、主に以下の3つです。
- 予約がとりやすい
- 自宅保育ができる
- 要望に合わせたサービスを受けられる
ベビーシッター利用が、自分のニーズに合っているかどうかの参考にしてみてください。
予約がとりやすい
ベビーシッターは、前日でも予約ができる場合が多く、希望者が多いことを理由に利用を断られるということはほとんどありません。公的な一時預かりでは、事前登録が必要なうえに、登録から予約まで1週間から2週間程度かかるため、急に預かってもらうことができません。ベビーシッターであれば、確実に子どもの保育を依頼できるといえるでしょう。
自宅保育ができる
自宅での保育がおこなわれるため、施設へ送り迎えをする必要がありません。子どもにとっても、慣れている自宅は安心感があります。特に体調不良や病気のときは、なおさらでしょう。保護者も子どもにとっても、自宅保育は心身の負担を軽減できます。
要望に合わせたサービスを受けられる
ベビーシッターは、保護者の要望に合わせて、柔軟に対応してもらえることが大きなメリットです。早朝・夜間はもちろんのこと、宿泊にも対応してもらえる場合もあります。単発でも継続的な依頼でも、利用が可能です。
ベビーシッターによっては、サービス内容の違いやオプション料金が発生する場合があるので、事前に調べておくと、スムーズに依頼ができるでしょう。
ベビーシッターを利用するデメリット
ベビーシッターを利用するデメリットは、主に以下の3つです。
- 利用料金が高額になることも
- シッターとの相性が合わない可能性がある
- 自宅に入るため不安がある
利用料金が高額になることも
要望に合わせたサービスを受けられることがメリットですが、基本料金が1時間あたり1,700円前後なので、公的な預かりサービスに比べると、利用料金が高くなってしまいます。
公益社団法人全国保育サービス協会の「割引制度」を利用するのも1つの方法です。協会が、企業と連携して、企業の従業員がベビーシッターを利用した場合に、利用料金の一部または全額を助成する制度です。対象児童1人につき1回の割引券2枚(4,400円)、双子は9,000円、三つ子以上は18,000円の割引が受けられます。勤務先が実施しているか確認してみてください。
参考:ベビーシッター派遣事業|内閣府
ベビーシッターとの相性が合わない可能性がある
ベビーシッターと直接関わるのは子どもですから、子どもとの相性は重要です。たとえ、保護者のニーズに応えてくれたとしても、子どもとの相性が合わなければ、安心して過ごすことができないでしょう。
あらかじめ、ベビーシッターと面談をおこなうことをおすすめします。マッチング型では、サイト上の情報を鵜呑みにせず、どのような人物か、子どもとの相性が良さそうかなど確認しましょう。
自宅に入るため不安がある
ベビーシッターは自宅で利用することが多いので、保護者の不在時に子どもとベビーシッターが二人になるのは不安という方も多いでしょう。
ベビーシッターに預けている間は、子どもの様子を電話やメールで確認したり、WEBカメラを使って子どもの様子を見たいとベビーシッターに伝えるのもよいでしょう。また、緊急事態が発生した際に、ベビーシッターからの連絡方法も検討しておくと安心です。
まとめ
ベビーシッターは、子どもの預け先に困ったときに利用できる便利なサービスです。ベビーシッターの利用にあたっては、メリット・デメリットを踏まえて、あらかじめ情報収集など準備を進めましょう。