大和小鳩幼稚園

感性

感性とは感じる心。つまり、いろいろなことを感じ取れることのできる力ですね。
お花を見て「きれいだな」と感じるのも感性ですし、人間関係でも感じる心がある子とない子では、人に対する接し方も違ってきます。「あの子、かわいそうだな」と思う気持ちがあるからこそ、人にやさしくできるんですね。
では、感性はどのようにして育てるかといえば、やはりたくさんの経験を通してということになるでしょうか。様々な素材を使っての造形活動やいろいろな遊びや友だちとのかかわりも大事ですし、クッキングも、見て、匂いを感じて、音を聞いて、手ざわりを感じて、味わって……と五感をフルに使うので、とてもいいんですよ。
一つ一つの活動の中に、感性をみがくチャンス がたくさんあるんですね。
園舎は木造でいろいろな種類の木が使われているので、よく見ると色も風合いもそれぞれ違うんですよ。
そんなところからも、木にもいろいろな個性があるということを感じて、そこから「人間だって一人一人違っていいんだな」ということも感覚的にわかってくれたらいいな、と思っています。

遊び

目を輝かせ、いきいきとし、自分たちでつぎからつぎへと遊びを発展させている姿は、見ていて気持ちがよいものです。こうした姿の中に子どものたくましさやエネルギーの大きさを感じます。
本園では、幼児自ら選んだ遊びの中から子どもは育っていくという考えのもと、“遊びと生活”を中心とし、子ども主体の保育を実践しています。日常の生活の中で仲間と育ち合う時間が少なくなっているだけに、毎日を仲間たちと共に過ごす幼稚園では、子どもたちが、遊びの楽しさや面白さをたっぷりと味わう体験を大事にしていきたいと考えています。

学び

幼稚園のつぎは小学校ということで、先々の学力のことなども気になり始める時期です。
幼稚園は確かに学校教育の始まりと位置づけられていますが、この時期に目に見える成果を求めるのは間違いだと私は思うんですね。幼児期にたいせつなことは、まず「やってみたい!やってみよう!」という意欲、気持を育てることです。「なわとびがとべるようになりたいから、がんばる」「逆上がりができるようになりたいからがんばる」といった経験の積み重ねを通して、「自分で見つけて、獲得して、そして新たな課題に向かう」という意欲が育ちます。それが将来の学力を支える確かな力になるんですね。意欲も育てないままに先取り学習をさせても、子どもは先にいって息切れしてしまいます。
意欲のある子に育てるスタートは幼児期なんです。
やりたいという気持を育てるには、周りの大人の言葉がけも大事ですね。たとえば食でいえば、先生が「おいしいよ。食べてごらん」と言うので、苦手だけどがんばって食べてみたら食べられたということはよくあります。もし、そのときは食べられなかったとしても、「あーあ」ではなくて、たとえば年少さんなら「年中さんになったら、食べられたらいいわね」と言葉を添えてあげれば、子どもの中に「また、がんばってみようかな」という気持を残してあげられるでしょう。
幼児期の時期は、この先の人生のための種まきの時期だと思っています。経験の幅を広げてあげることもそうですし、なにげない言葉がけで意欲の芽を育ててあげること、「小学校に入ったら……」と学校への期待感を持たせてあげること、そんなちょっとしたことも大事な種まきだと考えます。