保護者の幼児教育への意識が高く、家庭で子どもたちを本当に大切に愛情深く育てておられると実感している。子どもたちの情緒も安定しており、教員も安心して教育活動ができている。
大阪市の幼児教育は140年の歴史があり、子ども一人ひとりを大切にという理念は昔から変わらず受け継がれている。
公立の幼稚園は多様な子どもを広く受け入れ、支援体制や教育体制を整え、安心して来ていただけるセーフティーネットの場となっている。
子どもたちも遊びや生活を通して多様性を理解しながら幼児期を過ごすことで、個性の芽生えや人権意識が培われていき、子どもの成長に繋がると思う。
今も昔も子どもの本質は変わらず、遊びが好きで屈託がなくピュアである。そこを大切にし、個性を良さとして伸ばしていきたい。
趣味はピアノである。クラシックを通して音楽の力を伝えたいと思う。園で毎月1回子どもたちにクラシックを弾き、「この曲聞いたことある」と思えるような直接体験を行っている。
幼児期に音楽に触れることが大切だと思う。音楽に触れることで感性を揺さぶる。目に見えないものの刺激やより美しいもの、より質の高いものを体験することが、情操やセンス、価値観などに影響すると思う。いい音楽を聴くことやいい絵を見ることなど本物に触れる機会を持ち、年齢に関係なく子どもたちの可能性に刺激を与え、伝えていきたい。
幼児期に大切なことは自己肯定感を培うことだと思う。自己肯定感が幼児期から根付いていれば、何があろうとも揺るがないと思う。命を大切にすることや周りの人たちを思いやることなど、自分の存在価値を感じているからこそ出来ることだと思う。
教員も子どもたちに対して、常に愛情を遊びの中で発信している。
子どもたちにとって幼稚園は初めて身を置く社会であり、子どもたちがどのように相手を信頼するかは教員が担っている。その気持ちがあればどんな環境でも揺らぐことなく生きていける。
子どもたちの言葉に共感することが大切で、安心につながる。
子どもたち自らの体験を通して、信頼や安心といった感覚が根付くようにすることが幼児教育だと思う。
臨時休業で子どもたちが登園できない期間に、教員は自分を見つめる時間を持った。どんな楽しいことをしていこうか、どういう環境を作れば子どもたちが安心するのか、保護者へのフォローなどを前向きに見つめる時間を作ろうという考えになることができた。教員がソーシャルディスタンスのポスターを作り、人形を用いて視覚的に教えられるような教材研究の時間が取れた。子どもたちが登園できない期間を無駄にせず、子どもたちに返せるようにした。
我々教員が今までやってきたこと、地域とのつながりや関係性が表れる時期になったと実感しており、だからこそ日頃から大切に一生懸命勤めていきたいと再認識した。
市立工芸高校の生徒たちが授業の一環として実際に子どもたちとふれあい、子どもたちが喜ぶようなおもちゃを作ってくれるなど、交流をしている。今年は子どもたちがみんなで顔を合わせてお弁当が食べられるよう、パーテーションを考えてくれている。