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保育の形態
<0.1.2歳児の保育>
基本的信頼関係の築きが大切な0歳時期は、「愛着関係を基に丁寧にひとりずつ関る保育(自分を受容してもらう)」。1歳時期は、「自我(自分からやりたい)を大切にする保育(自己主張を受け入れてもらう)」。2歳時期は「みんな(少しずつ友だち同士)でやる(集団の)楽しさやルールを気づく保育」を展開していきます。社会性の芽生えと共に自我のコントロールと基本的生活習慣の自立を目指します。
そこで、子どもの遊び、発達及び生活を保障できる環境として、保育室を「遊」「食」「寝」の空間に分けます。ハイハイが十分にできる場、伝い歩きを楽しめる保育室、探索活動や好きな遊びが繰り返しできる空間、友だちを意識して食べる食事、ゆったりとくつろげる場、自分のことが自分でできる身支度の場などです。その中で、他者との受容と共感を通じて、達成感を味わうように保育をしていきます。
<3.4.5歳児の保育、異年齢保育>
子どもの発達課題は、必ずしもその子の月齢と一致するものではありません。 生年月日で区切られた集団を同じ発達課題で保育するのではなく、その子の課題を優先し、異年齢の集団で保育していきます。 そこには、当然、子ども同士の工夫が必要であり、その関わりを通して発達(関係性発達)していきます。 そして、トラブルが起きても自分達で解決できる力がつくように保育者は援助していきます。
保育室の環境は、「遊」「食」「寝」に分れ、子ども達が主体的に活動できるような空間があり、子ども同士のコミュニケーションを大切にしています。また、生活は保育士からの指示ではなく、自ら考え、判断し、行動できるようになるために環境を整えます。やりたいことがやれるゾーンや仲間と遊びを展開していく場があります。
“子どもの遊び=学び”子ども達が、自ら課題をみつけ、意欲的に活動し自己有能感を持てるように保育者がチームとなり、子ども達を見守りながら、適切な援助をしていきます。 -
保育環境
人的環境 -大人との関わり、子ども同士の関わり-
子どもたちがあらゆる人々と、主体的に関われるための人的環境を整えます。保育者のみならず、異年齢の子ども同士も大切な人的環境です。少子化による地域の中で、子どもの減少や家庭内での兄弟の減少、テレビやゲーム遊びなどの遊びの変化で、子ども同士で遊ぶ機会が減ってきています。そこで今、園生活の中で子ども同士の関わりを学ぶことが重要です。子ども同士の関わりは、「集団の中での関わりから生きる力を育む保育」に必須のものです。ここで「自立」と「自律」が育まれます。一方保育士は、子ども同士の関りを見守り、子どもが求めた時に十分に受容し共感する存在です。また、一人ひとりの子どもの発達を把握し、その発達を助長する存在です。
物的環境 -発達を促す遊具・教材と選択できる環境-
子ども達の主体的な活動とは「子ども自ら環境に働きかけ、自ら活動すること」です。保育士は、「子どもがこんなことをしたいと思ったとき(意欲・動機)、それを実現しようとすることができる空間を用意する」必要があります。そのために、一人ひとりの子どもの発達にあった・子どもの発達を促す遊具や教具をその空間に用意し、更に自分の意思で遊具・教具を選び、自ら手にとることができる環境を用意します。
空間的環境 -「遊」「食」「寝」の確保とゾーニング-
日常の保育は、主に「遊」「食」「寝」の3つの場面に分かれます。園内は、遊びのゾーン、食事のゾーン及び午睡のゾーンを独立して確保し、時間で区切ることを優先させず、子どもたちが遊びに集中する経験や、最後までやり遂げる満足感や達成感を大切にします。その経験が、子ども達の次の活動への意欲につながるものと考えています。
また、遊びのゾーンでは、様々なゾーン(絵本ゾーン・製作ゾーン・ごっこ遊びゾーン・ゲームパズルゾーン・ブロックゾーンなど)を用意し、子どもが自分の好きな活動、もの、人を自発的に選ぶことができるようにします。