私は芝刈りをしながら子どもたちのためになることはなんだろうということをいつもぼんやりと考えています。
森の保育所を開設したきっかけは私が前職(遺伝子工学機器関係の仕事をしておりました)の時「自然の中で自由にあそぶ」ことと「音楽が身近にある環境」の保育園なんて素晴らしいじゃないか!と思ったのがきっかけで、その後保育士免許を取って自然豊かなこの場所に引っ越してきて開設をしました。
「自然と音楽のある保育園」ですが、開設後しばらくすると保護者の方が幼稚園や学校の先生、看護師さんや保育士さんで過半数を占めるようになっていました。
保育未経験者が素人ながらに考えたテーマでしたが、私から見ると有識者の方々に認められたということになりこのことは間違っていなかったのだと思うと嬉しさがこみ上げてきました。
ここ数年「非認知能力」というワードが保育界隈でトレンドとなっていますがご存知でしょうか?
算数や国語など基礎的知識(認知能力)に対しての、感情や心の働きのことを言います。
具体的には生きる力や折れない心、集中力や好奇心、創造力、やり抜く力や自分で考える力、自分を信じる力のことで、これこそが生きていく上で非常に重要な能力だということが研究でわかってきたのです。
認知能力の前に非認知能力を身に付けた方が最終的に良い結果が得られるということもわかってきました。
そして更にこの非認知能力の基礎は0〜2歳に作られるということもわかってきたのです!
0〜2歳児はあそびの中からいろいろなことを学びますが非認知能力の基礎もやはりあそびの中から学んでいくということです。
ここからは私がぼんやりと考えていたことの内容になりますが、自然の中にはたくさんの不思議に思うこと、惹きつけられること、何かのヒントなどがたくさん、無限大にあります。
例えばなぜ空は青いのだろう、なぜ雲は流れるのだろう、なぜちょうちょは飛ぶのだろう、なぜ花は咲くのだろう、なぜ転ぶと痛いのだろう、ありは何を食べているのだろう、なぜ風には色がないのだろう、など無限です。
私がビジョンとした「自由に」「のびのびと」「押しつけられずに」「自然の中で」あそぶことは、じつは非認知能力の基礎を育むのに非常に良いのではないか、と最近になって結びついてきました。
そしてここに通う保護者の方々も、もしかしたら「非認知能力」という言葉は知らなくても「自然の中で自由にあそぶ」ことは好奇心、集中力、創造力などを育むのに適していることだと気付いているのではないかと思うようになってきました。
むしろ保育や心理学の研究者でなくても良い保育、子どもたちの育ちにどういう環境が良いかということは素人がストレートに考えた時に普通にわかることでそれがこそが正解なのでは、とも思いました。
これが今日3時間芝刈りをしていてぼんやりと考えていた結論です 笑
森の保育所ではもう一つ「音楽が身近にある環境」というのもテーマにしています。
室内の自由あそびの時間に、毎日アコースティックギターやピアノで童謡などを演奏しています。
園が位置している里山、季節を感じる森と美しいメロディーで日本の季節を歌う童謡の相乗効果、ゆったりとした空気感はお子さまの感性に良い影響があると考えています。
電子楽器は使わずに生ピアノと生ギターの生音(アコースティックサウンド)で演奏することで音色の美しさや弦の響き、コード感などを直接感じ取ってもらい音楽に興味を持つように、将来音楽や楽器が好きになるきっかけになれば良いなと考えています。
優しく弾くピアノや指で弾くアコースティックギターの音色はオルゴールのようですので情緒の安定にもつながるとも考えています。
私の大きなイメージとしてはしっかりとした演奏ではなくてもさりげなく耳に入る感じ、チューニングの音なども含めて音が聞こえてくる感じ、例えば高校の放課後に遠くの教室から聞こえてくるブラスバンドの音色のような心地よさ、そのようなのをイメージしています。
0〜2歳から音楽で心を豊かに育てたいと考えている保護者の方からも支持されていて、こちらも共感いただいて大変嬉しく思っています。
「自然の中で自由にあそぶ」ことと「音楽が身近にある環境」はきっとお子さまの心の育ちにつながると信じておりますので、森の保育所をどうぞよろしくお願いいたします。