ここには、子どもたちのとびきりの可愛い笑顔が弾けています。この子どもたちは自分の意志でここにいるわけではありません。出稼ぎの親に連れられて、わけもわからず日本にやってきた子どもたちです。「あれ、日本人?外国人学校なのに」と思われるかもしれません。子どもたちの「顔」の多くは日本人だからです。子どもたちは日系人です。「顔」は日本人でも、ほとんどが日本語のわからない親をもち、自身の母語は日本語ではありません。つまり日本語は彼らにとって外国語だし、日本は外国です。
突然これまでと全く違う世界にほうり出され戸惑う子どもたち。幼稚園や学校にも行けません。行っても日本語がチンプンカンプンで授業を理解できるはずもなく沈んでいく子どもたち。私は小さい頃、親に「勉強をできないのを環境のせいにするな」と叱られました。でも、それは日本の子どもだからいえることです。「環境のせい」で勉強ができない子どもたちに、私も7年前に出会いました。それが私の人生を変えることになるのですが。
幼児期には幼児期の遊びが、小学生には小学生の、中学生には中学生の学ぶべきことがあります。世界のどこにいても、子どもたちが今学ぶべきことを学べるようにする。それが私たち大人の責務と考えます。子どもに、大人の都合で「学習の空白時代」を作ってはならないのです。その子の能力の問題ではなく、言葉の問題で学校に行けない、勉強についていけない、ひいては将来に夢がもてないという状況はなくさなければなりません。そこで当校では、教科は母語で教えます。例えば、理科に「光合成」というのがありますが、この概念を「外国語の日本語」で理解するのは彼らにとって至難の技です。これが、公立学校でよくみられる「日常会話がぺらぺらだけど学校の勉強はさっぱり」の原因です。母語で理解するのは容易なのに。
一人ひとりの子どもが自らの将来に夢がもて、自分の未来は自分で選択し切り開いていけるように!また共生社会を担い、リードする人材に育つように!ムンド デ アレグリアの挑戦が続きます。