日本初の「店舗型ベビーシッター ママズスマイル」創設者の近藤美奈子と申します。
私が専業主婦だった2012年に1号店目となる大宮店(埼玉県)を立ち上げました。
1時間から利用できる「店舗型ベビーシッター」を創ろう!と決めたのは長男が生まれて7ヶ月目の頃でした。
今でこそ子育てと仕事、そして自分の時間も上手に使えていると思いますが、当時は初めての子育てで、いっぱいいっぱいという言葉がピッタリな毎日。
当時専業主婦でしたので、自分のための時間を使うことに私は「罪 悪 感」がありました。
そしてそれと同時に、子育ては誰もが通った道。辛いと思うのは私に母性が足りないからだ。
自分が欲しいと願って産んだこの子が、泣いてうるさいと思ってしまう私は、母親失格だ。
そう思う事が多かったのです。
自分で産んだ子をかわいくないわけがないのに,
うるさいと思ってしまう自分と、そう思ってしまう自分を責める日々は、
今思うと軽い育児ノイローゼだったのかなと思います。
実際長く摂食障害を患いました。
ですがこの時、自分が育児ノイローゼだなんてこれっぽっちも思っていませんでした。
なぜなら、育児ノイローゼは虐待をしたり自殺未遂をする人の事だ。そう思っていたからです。
それなりのところに相談するなんて思った事すらありませんでした。
長男が7カ月になったころ、本当にしんどくて辛くて猛烈に「一人になりたい」と思いました。
当時の私にはベビーシッターを家に呼ぶ勇気はなく、どこかの施設でベビーシッター的に預かってもらえるところはないかと思い、「一時預かり」や「一時保育 託児所」などと検索をしてみました。
そうしたらワンサカ出てくるではないですか。
「なんだ、たくさんあるんだ!」
そう思って家に近いところから電話を架けました。すると、
「お母さん、仕事ですか?体調悪いの?」
「誰か亡くなったとか?冠婚葬祭でもないの?」
などと言われ、電話したことを後悔しました。やっぱり理由がないとダメなんだ、、、と思ったからです。
いくつか電話をし、最後は家から4つくらい駅が離れている場所でしたが、「もうここでも良い」と思い、恐る恐る一時預かりを希望してみると快く応じてくれました。
ただ応対してくれた方がこう言ってくれたんです。
「でもね、お母さん。登録費が8千円かかりますよ」
ただ一時預けたいだけだったので次回使うかどうかはわからないのに、託児料金と合わせるとゆうに1万円超えてしまう。
当時の私は夫に「生活させてもらっている」という価値感でしたし、自分の時間のために1万円を使う事が出来ず泣く泣くキャンセルしました。
その時、「ふざけんな」と思ったのです。
その託児所にではなく、この国の子育て環境に。
子どもを産んだ瞬間から「お母さん」は24時間の職業に転職したようなものです。
それ以外の「家事」は副業みたいなもの。そしてそこには、目に見える対価はありません。
それを「おかしいだろ」と突っ込まないこの国の子育て環境に、腹が立ちました。
その時、「どんな理由でも良い。今預けたいと思ったときに応えることが出来る」施設を創ろう!と決心しました。
この時から約10年経ち、私が創った「店舗型ベビーシッター
ママズスマイル」は述べ利用者が10万人を超えるまでになりました。
ですが、この国の育児環境は正直に申し上げると立ち上げた当時の2012年とほぼ変わっていません。
育児環境自体はまったくの古いままの状態で女性の自立を求められているのが、「今」なのです。
でも、何かがどこかが変わるのを待っているだけではきっとなにも変わりません。
私たちママスマの目標は、ママスマ会員の方々が無料で好きな時に好きだけママズスマイルを利用できる環境を作ること、です。
つまり託児料金がいつでも0円で、どんな方でもどんな理由でも利用できるチェーンを作ることを目標としています。
それが実現したとき、この国の育児環境を国に頼らず私たち自らの手で変えることができる。
そしてそうなった時に、「託児に理由・罪悪感は要らない」というフレーズも過去のものになるのではないかと思っています。
私は同じ想いを持つ仲間とともに、この国の育児環境を変えるべく全力で励んでいきたいと思います。
株式会社ママスマ
代表取締役CEO 近藤美奈子
代表取締役COO 永作浩基